2006年9月24日日曜日

地上デジタルラジオ放送無期延期


時事ネタもたまには書いてみよう。


地上デジタルラジオ放送が無期延期されることが明らかになった。
この話ではもともとは2011年に本放送開始だったのが、一度2006年開始に前倒しされた経緯があったはずだ。
放送開始を楽しみにしていたので大変残念だ。こういうことが起きるときには、信じられないくらい無能な人間が判断を下している場合がある。総務省のチャンネルプランを考える人なのか、放送局の偉い人なのかは知らないが、少なくとも現場の人間は関係ないだろう。


ところで地上アナログテレビ放送は、本当に2011年7月に停止できるのだろうか。


私はアナログ放送停波には賛成である。なぜならアナログ放送は帯域を使いすぎている。
アナログ放送は VHF1-3ch(91-108MHz)、4-12ch(171-222MHz)、UHF13-62ch(471-767MHz)を占有している。この中で移動体通信への応用などでもっとも美味しい周波数であるUHFは、特に広い範囲が使われている。


電波による通信は、空間の性質を利用しているにすぎない。空や宇宙や大気が公共のものであることは、そのまま電波が公共のものでしかないことを示している。しかし今に始まったことではないが、NHK以外のテレビ放送コンテンツの醜悪さは、この「電波はみんなのもの」という考えなど頭の片隅にもないとしか思えない。民放は数字が全てであって数字以外は何の価値もないという価値観をベースとしたエコシステムが、業界全体の収益を高水準に保ったたままできあがっているのだ。なお、このエコシステムには広告代理店と新聞社が含まれる。したがって新聞は絶対にこの問題に触れない。


上段でアナログ放送停波に賛成と書いた。しかし、だからといって地上デジタルTV放送に賛成と私は書いていない。むしろ電波の有効利用のためデジタル放送も無くなればよいと思っている。UHFを多くの放送局にアサインするのはいかにももったいなく、もっと有意義なことに使うべきなのだ。


地上放送は災害報道ではもっとも有利だと思うが、それ以外では不要な存在に今後なっていくと思う。もしも、未だにテレビを見ている人がいたら、テレビなしの生活を少しの間続けてみるとよい。何も困らないことに気がつくだろう。(ただしネット環境は必須となる)。


このままいくと2011年7月に現在のテレビ放送エコシステムの崩壊が始まる。


3年ほど前地上デジタル放送の試験放送が始まったときに、量販店でNHKデジタル総合とNHK総合(アナログ)の画像を並べて見せるデモを見たことがある。このデモでは同じ液晶テレビを使っていたから、デジタルにするとこんなにきれいになりますよ、とアピールしたかったのだろう。確かに近くでみるとノイズの出方などはデジタルの方が好ましいのだが、3-4メートルも離れると、私の矯正視力(0.7-1.0)ではほとんど区別がつかなくなった。画質に意味のある違いが感じられず、4:3な方がアナログで、レイテンシーがある方がデジタルとだけわかった。あのようなデモは、正直かもしれないがデジタルにとっては命取りで、購買欲をなくすには十分だ。ハイデフ映像は近距離で見るか、大画面で見てはじめて価値があるということだ。


小さくて安いデジタルテレビが発売されたら状況は変わるかもしれない。現在のデジタルテレビはなぜか薄く、大きく、高いものしかない。高いテレビだけしかない状況では一般市民はどう移行すればよいかわからないから、必ず混乱が起きる。これがそのまま「テレビ離れ」に結びつく可能性が高い。
テレビ局が今後も今のような放送を続けたいならば、安くて画質の悪いテレビをメーカーに生産するように頼むというのはどうだろう。いずれにせよ、テレビ局にはそろそろ国民に放送免許を返してもらう時期がやってくる。


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